学校が終わり、が自室に戻って来ると、そこは戦場跡地と化していた。
 まず真ん中辺りに俯せにガイが倒れ、その伸ばされた手元にはドライバー等が転がっている。さらにその先にもう原形を留めていないゲームボーイポケットが無残に置かれているのだ。
 別に床が汚れているわけでもない。戦場跡地を思わせるものは倒れているガイしかない。それでも、今現在のの部屋はその部屋の主に戦場跡地を彷彿とさせた。
「(…一体なにが…。)」
 疑問に思いながら倒れているガイに近付き、その身体を回転させ、上を向かせる。
 彼の表情は、妙に晴々としていた。まるでなにかを成し遂げたときのような、そんな表情。
 部屋の雰囲気に気圧されながらも彼になにかが起こったのではないかと心配してもいたはそれが杞憂だったことを理解し、溜め息をついた。
「……そんなに『音機関』が好きかね…。」
 ガイの横に座り込み、ぽつりと呟く。
 そして溜め息をついた。