『破鍋女は身の程知らず』十五頁から続く、〝もしも獅子王あやめが本格的に嬲られていたら〟のifストーリー。
『破鍋』本編に引き続きモブ男視点。
*
「――女の手で乱暴にされるのが、そんなによろしいの?」
「な、に……やめてっ……!」
「こんなはしたないお胸、エルガーくんたら喜んだでしょう。助平な人だから。あたくしも昔は随分と虐められてしまって」
毒と拘束の影響で思うように動かない身体で、それでも抵抗を続けていたあやめがぴたりと動きを止める。俯いた彼女の表情は影になっていて俺からはよく見えない。
「――あらまあ! ごめんなさいね。あなた、彼に抱いてもらったことなかったの」
「……!」
「うふ、くふ。いやだわあ、悪いことを聞いてしまって……うふふふ。ああ、可笑しいったら……」
だがわざわざ彼女の顔を覗き込んだ女将は声を弾ませてそんなことを言うから、少なくとも女将にとってはなにか満足のいく面持ちでいたのだろう。
紅を引いた鮮やかな唇に指先を預けて嬉しげにころころ笑う女将は、やはりうっとりするほど美しい。
「――ぁあッ!?♡」
「ほほ……、女に嬲られて濡らすだなんて、浅ましいおめこだこと。随分と口寂しくておいでなのねえ」
ぐったりと蔵の床に寝転んだままで、拘束の縄を軋ませ押し黙るあやめ。そんな彼女に容赦なく、女将はなおもあやめの羞恥を煽るように下品な言葉つきと手つきとで瑞々しい女体を責め立てる。
「あッ♡ く、ぅ♡ んんぅっ♡♡」
「エルガーくんも酷い子だわあ。どうしてあなたを慰めてあげないのかしら」
「っひ、ぃ♡ ん♡ん♡ く、ぁ♡」
女将は平然と微笑みながら、あやめの秘裂に中指を挿入して激しく掻き回した。ねっとりとした愛液が泡立ち、そしてその気泡が潰れる淫らな水音が静かな蔵にぐちゃぐちゃと響く。
その明らかに性感を与えんとする仕草に、あやめは小さな喘ぎ声を漏らし始める。力もろくすっぽ入らないだろうに唇を噛んで堪えでもしているのか、変にぺしゃんこで、くぐもった声だ。
「あやめさんに魅力がないから? こんなに若い子じゃ物足りないから? ……エルガーくんがなにをしたら喜んでくれるのか、老婆心ながらあたくしがお教えしましょうか」
「う、ふぅうっ……♡ だ、だまって……!♡ あっ♡あぁっ♡ う、う♡ そんな、のっ……っひ♡ 聞きたく、ない……!♡」
「あらまあ、強情なこと。……本当にいいんです?」
「っひ……!♡♡ ――んあぁあッ!♡♡」
あやめのすっかり潤みきって緩んだ膣に、女将は加えて人差し指を突き入れる。前触れなく増えてばらばらに中を掻き回すしなやかな指に、あやめは背中を撓らせて縛り上げられたままの両の爪先で床を蹴った。
長く黒い髪が乱れ咲くように白い浴衣と肌の上を散らばり、じっとり汗の浮かんだ肉付きのいい肢体を覆い隠す。
「凄いのよ、彼の腰つきったら。優しいんだけれど、まるで獣みたいでねえ。あたくし、年甲斐もなくうっとりしてしまって……」
「あ、ぁ♡ や、めてっ……! やめてっ!」
「あの夜のこと、思い返すだに奥が疼いちゃうのよ♡ 彼の涎を垂らした大きくて♡太くて♡硬くて♡熱くて♡逞し~いおちんぽがね、あたくしの大事なところをどちゅ♡どちゅ♡ってそれはもう嬉しそうに――」
「やめてったら! ききたくない!」
「うるさい子ね! お黙りッ!」
――ぐちゅんッ♡♡
「ぁあッ!♡♡♡♡」
硝子細工を砕き割ったかのような絶叫と、嫌悪を透かしながらも快楽によがる嬌声。
女将が膣を埋める指をぐりりと曲げて、その上でぽちっと膨れた豆を親指でぎゅうぎゅうに押し潰したのだ。
見開かれた少女の目から真珠のような粒がぱっと散る。女の泣きどころを執拗に躙られてはどうにか気丈に振る舞おうと努めるあやめもとうとうひとたまりもなかったらしい。食い縛られていた唇は丸く開いて、その隙間からは甘ったれて泣きつくような喘ぎがぼたぼたと漏れ落ちる。
「ん……!♡ んぅっ……♡ ふ、うぅぅっ♡ んぁッ♡♡ あ♡あ♡ んくッ……!♡♡ は、ああっ♡♡」
女ふたりがそうやって絡み合うのをぼんやり眺める俺はというと、途中からあやめを責め立てる手つきはよもや女将が自らを慰めるのに用いる手口と同様なのではないかということに気付き始めて興奮が止まらない。向こう二月ばかしはこれで抜ける。無料でこんな上質なオカズ提供してもらっちゃっていいの……? お返しに後で肩でも揉もうか?
普段楚々として俺には情けのひとつもくれやしない女の性生活がこんなところで透けて見えるとは思いも寄らず、なんだか得をした気分だ。ただでさえ見目麗しい女共がじゃれつくさまは眺めていて眼福なのに。
身中に残る麻痺毒と手足の首をがっちり固める拘束がため成す術もなく、ただされるがままに嬲られるあやめは必死に身体を抱え込むように丸まった。しかしその動作にすでにほとんど肌蹴きっていた浴衣はとうとう彼女の肉感的な総身を覆うことを諦めて、輝くような白い背中とつるんとした尻が露わになる。
女将は空いた片腕で平手を形作って持ち上げると、少女の瑕ひとつない丸っこい尻臀を全力で振り抜いた。
ばちんッッ♡
「――くぅぅっ!?♡♡」
「ああ、いやだ、いやだ! 本当に節操なしではしたない身体をしていらっしゃるのねえ! お尻を叩かれても膣液を溢すだなんて、呆れちゃうわ。
こんなによくよく躾けられた女陰をして、今までにどれだけの男に抱かれてどれほどヨくしてもらったの? 教えていただけたら、及ばずともあたくしがその通りになぞって差し上げてもよろしくてよ。
――それとも、あやめさんにはやっぱり男の一物がなけりゃ、ご満足いただけないのかしらね」
「――ッ! っふぁ♡ く、ぅうッ……!♡♡」
「まあまあ、我慢は身に毒ですよ。あたくしのことは気にせずに、さっきまでみたいにどうぞ遠慮なんてなさらず存分に喘ぎなさいな」
口汚い侮辱を受けたあやめは喉の奥で唸るようにして、また唇を噛み締める。そうさせたのは自分なくせして、女将はあやめを宥めるかのごとく赤く色づいた尻を淡く撫でた。手痛い殴打とは打って変わって羽毛でなぞるような甘い愛撫にあやめの肌はぶわぶわ粟立つ。
女将はそのままそうっと少女の滑らかな背に身を寄せて、小紋をきっちり着込んでさえ目を引く豊かな胸をたぷりと押しつけた。
身を強張らせる彼女の耳元で、女将は紅い唇を歪めながらに囁きかける。
「一見綺麗な桃色をしているここで、いったい何人の男が恥垢を刮げ落としてきたのかしらね。
……それであなたは、そんな汚い身体のままでエルガーくんにしがみつこうって言うの? 恥というものをお知りなさいよ、あやめさん」
こんなふうに性的で明け透けな言葉を使う女将は見たことがなくて、なんだかつい俺も一緒になって言葉責めされてる気分になって魔羅もむくむく元気になる。低燃費でいい子だね。
俺が人知れず下穿きを膨らませるよそで淀みなく続く責め苦にあやめは堪えきれず絶頂を迎えたらしい。声にならない悲鳴を飲み込みながら、満身をびくんびくんと震わせて快楽の渦をやり過ごさんとしている。その姿は丸きり陸に打ち上げられて無防備にのたうつ哀れな魚だ。
やがて、ずちゅ♡と音を立てて、女将の手があやめの秘所から抜き去られる。
「あらあら、汚れちゃったわ」
ただでさえ白い女将の素肌は白濁した本気汁でどろどろになっており、なんだか水を吸って膨れた屍体みたいに見える。
その手を、女将はわざわざあやめの眼前まで持ってきて見せつけた。二本の指を蠢かせるたび、指間には濁った糸がねとねとと引く。
あやめは赤らんだ顔を羞恥と屈辱に歪めて目を伏せた。
「そうだわ。ねえ、あやめさん。これ、綺麗にしてくださる?」
「…………」
「ご自分のおつゆでしょうに。ものを汚したんなら、きちんとご自身で綺麗にしなくっちゃあいけませんよ」
もちろん、強情なあやめは口を開かない。
「――まったく、聞きわけが悪いのはいけねえな」
「んぐぅッ!?」
俺はそれで仕方なく、段々自分の背中のように思えてきた戸口の角から名残惜しくも身を離して、後ろから腕を伸ばしてあやめの小さな頭を女将に差し出すように持ち上げてやった。
裏っ返しに見つめ合う目が驚愕に何度も瞬く。今の今まで俺さえもこの場にいるとはとんと思いもしなかったらしい。あやめは大きく目を見開いて、それから厳しい表情で眉根を寄せた。
「なあ、あやめ。あんた、ナマエ女将の言うことさ、いい子だから聞いてやんなよ」
ほっそりとした顎を掴んで無理矢理前を向かせて、人差し指と親指で柔い頬を挟み上げて強引に口を開かせる。あやめは当然嫌がってどうにか俺の指を噛んでやろうとしているようだが、麻痺毒が効いているせいでまともに口が動いていない。
女将はそれをいいことにあやめの濃い桃色をした咥内へ華奢な指を差し入れて、赤い舌の上へ幾度も指を擦りつけて愛液を味蕾に揉み込んだ。
じわりと、あやめの目に涙が溜まる。
「いやだわ、余計に汚れちゃったわね」
少女の震える小さな口から引き抜かれた女の白い手は、今度は唾液で糸を引いている。女将はさも嫌そうに手をひらひらと振って、それでも汚れが取りきれないと知ると、その手を俺の服へ擦りつけて立ち上がった。
「それじゃ、後はごゆっくり」
「ま、まち、なさい。どこに……!」
「――ねえ、あやめさん。エルガーくん、あたくしにくださる?」
唐突な申し出にあやめは息を飲む。そしてその沈黙に、女将は全ての答えを察してころころ笑った。
「ほらねえ。強情なあやめさんに言うことを聞かせるのは、あたくしじゃあ力不足なようですから。適材適所って言うでしょ。手荒っぽいのは、あたくしよりもその子のほうが上手なんです」
歌うように言う女将は彼女が自分自身で持ち込んできた手燭は棚へ置き去りに、そのまま蔵の出入口へと繋がる階段を静かに登っていく。
「ですから、せめて……ね? ゆうっくり、楽しんでらしてね」
扉を潜り抜けていく間際、振り向きざまに落とされた言葉には見せかけの穏やかさはすでに削ぎ落されている。そうして女将は俺に目配せだけして立ち去っていった。恐らくエルガーの元へと向かったのだろう。
俺に娘っ子ひとり押しつけて手前は惚れた男の元へ通うだなんて、相ッ変わらずしれっとした顔で酷い真似をしなさるもんだ。
「――ったく、女将も随分なことするよなあ。あんなにがしがしほじくられちゃあ、痛がる子は痛がるだろうに」
俺は女将に手拭い代わりにされて汚れちまった服をばさばさ脱いでいきながら、あやめに雑談を振ってやる。
「……マ、あんたに限っちゃ杞憂なようだったがね」
視線を落とせば、力なく投げ出された真白い腿は粘液でびたびたになっている。蝋燭の仄かな光に照らされるたび、それが水飴を塗りつけたような具合でてかてか照り返す。
俺の声にあやめは目つきを鋭くしてこちらを見上げたが、すぐに狼狽して顔色を変えた。肌色が蒼白い。どうやら俺の全身にこれでもかと刻まれた傷の数々に仰天したらしい。
「そ、その身体の傷……!?」
「おや、手前の貞操の危機だってのに、俺の怪我の心配なんてしてくれんのかい。お優しいこったね」
別に今はこの傷の謂れを聞かせてやる義理も意味もねえだろう。俺は特別なにかを答えてやることもなく、女将の代役を務めるべく彼女の傍へ屈み込む。
俺の傷のことを言うなら彼女の剥がれかけの衣の下からようやく現れた、腹にどでかく刻まれた墨にだって驚きだ。こういうのを入れそうな質には見えないのに。ただそういうつまらん感想があるだけでこれを刻むに至った経緯もなにもどうだっていいから、俺もそこには別段触れることはない。
「なあ、女将はさ、あんたに嫌ァな思いをさせたいんだと。趣味が悪いよなあ」
この様子ではどうせまともに動けまいという思惑あってのことだが、手足の拘束をするする解いて呑気にお話なんかしている俺にあやめは困惑顔だ。
「でも、マ、俺ァよ、とっくに足洗って世間様には優しい兄ちゃんで通してるもんで、年若いお嬢さんによっぽど手酷い仕打ちをするのは気が引けるわけ」
「……じゃ、じゃあ……」
「ウン、だから、」
あやめが、俄かに浮き立った面持ちで俺を見上げる。
もしかして性善説とか信仰してるタイプ? この状況下でそれはちょいとお花畑がすぎちまうな。それとも俺の愛想があんまりいいもんでこのまま助けてもらえるとか思ってる?
「――信じられないくらい優しぃくしてやるからな」
言うなり、俺は仰向けに横たわるあやめの、ほとんど裸の股を割り開いて、その中央へと顔を埋めた。
「――っひ!?♡♡」
口中でじっくり温め唾液を纏わせた舌を、可哀想に、女将に散々虐め倒されてやや赤く腫れた秘豆へとぴとぉ~~っ♡とくっつける。
敢えてめちゃくちゃに舐め回すようなことはせず、皮も乱暴に剥いたりしない。ただただ温かい舌の腹で体温をわけてやるようにびったりとくっつけてやるだけだ。
「――ふ、ぅ♡ んんっ♡ あ♡あぁっ……♡」
最初こそほとんど刺激のない愛撫に不快そうにするだけだったあやめは、そうやって何度も何度も舌をあててやるうちやがて声も抑えきれないほど感じ入り始めた。
性急さの欠片もない舌遣いは掻痒感さえ与えて、少女が内に秘めて抱え込んだ性感への欲求を呼び覚ます。陰核は物足りなさそうに一生懸命に甘皮から這い出ようとぴんぴんに背を伸ばしているし、完全に無意識だろうが僅かに腰が揺れている。
あんまり健気に大きなお尻を振って媚びるもんだから期待に応えてやろうと、俺は今までよりもほんの強く舌を押しあててやった。
「んぅッ!?♡♡ ッあ、あ!♡♡」
するとあやめは腰を浮かび上がらせるほど喜んだ。ぱくぱくと寂しげに蠢く膣からとぷっ♡と涎が垂れて俺の顎をしとどに濡らす。
「……あっは、つゆだく♡」
「っひ、ぃ♡ う♡う……っ♡♡」
「そんなによかった? 嬉しいねえ。でもまだ物足りないかい? 真ぁっ赤に腫れ上がったお豆が、俺に〝もっと強くべろべろされたい〟って健気にぴくぴく震えてるよ」
「そんっ、な……!♡ そんなこと、ないっ……♡♡ 気持ちよくなんかないっ♡♡ べろべろ♡なんてっ♡されたくないっ♡♡」
「いやあ、負けん気もここまでくると天晴れだ。これで脚が可愛くカクカクしてなけりゃ、もう少し格好がついたんだろうがね」
「う、くぅうっ♡♡ こ……こんなことしたって無駄よ……!♡」
少し身体を動かそうとするだけでもつらいだろうにあやめは細い首を持ち上げて、股にかぶりつく俺を必死に見下ろして啖呵を切った。茹で卵みたいなつるつるの額には結露みたいな大粒の汗がぽつぽつと浮かんで、黒い前髪はその汗を吸って重たく撓んでいる。
「わ、わたしは、あなたたちみたいな卑劣な人たちになんて、絶対屈しな――」
「あ、ほんとぉ? ――ん、れ~~っ♡ ちゅぷっ♡ ちゅぷっ♡」
「っひいっ!♡ きゃうぅッ♡♡ ん、んんぅっ♡♡ んああッ!♡♡♡♡」
ご立派な口上に耳を傾けながら尖らせた舌先で舐め上げて、今度は唾液で湿らせた唇で腫れて膨れた豆をむにむにと挟み込む。一瞬前に自分がなにをほざいていたかもう忘れたのか、あやめは白い喉を仰け反らせて高く悲鳴を上げた。もう暫く放ったらかしのぬるぬるどろどろのおまんこがひくひくひくッ♡と激しく痙攣を繰り返している。
「んちゅ♡ おいおい、そんなに喜ぶなよ。大口叩いたからにゃあ、頑張って我慢しなきゃ。――くちゅ♡ちゅうぅ♡ っは、気持ちよくないんだろ? 俺になにされたって、挫けないんだもんね?」
「は、あっ♡ あ♡あ♡ き♡きもちよくないっ♡ きもちよくないぃっ♡♡」
「俺から訊いといてなんだが、そんなにつれないこと言われちゃ、悲しくって情けなくって泣いちまうよお。こりゃあ男の意地にかけて、是が非でもあんたに〝気持ちいい♡〟って言わせなくっちゃな」
――ぬぷぬぷぬぷっっ♡♡
「~~~~ッ!?♡♡♡♡」
「おやおや、指一本に必死に食らいついて、まあ。随分と焦らしちまったかね」
満を持して、栓が恋しいと散々泣き喚いて駄々を捏ねていた穴に人差し指を挿入する。女である女将よりいくらかは太い俺の指に、あやめは声もなく嬉しそうに膣を蠢かせて吸い付いた。ぐるりぐるりと二度三度掻き回せばすぐに物欲しそうに緩むから、そのままほとんど間を置かずに中指も差し入れる。
「ッ、~~!!♡ う、う!♡ ふ、っくぅぅ~~ッ……!♡♡」
あやめは痺れの残る口で必死に歯を食い縛って悦楽の歓声を堪えようとしている。だがそうやって思うように自由のきかない身体を一生懸命くねらせるさまは、かえって男を誘い陰茎を強請る娼婦さながらだ。
反り返った背筋に持ち上げられて、突き出すようにぱるんぱるんと揺れるふたつのおっぱいがなんだかおかしくて、俺は喉を鳴らして笑う。
「なんだなんだ、この可愛いお胸も甘やかしてほしいって、お強請りかい? いじらしいじゃねえか」
「っち、ちが――あうっ!♡♡」
そういうことなら、上手にお願いができたご褒美にたんと可愛がってやらなくちゃならない。俺はあやめのぬるぬるまんこに今度は薬指を増やしながら乳房のその天辺へと吸い付いた。
皮膚の薄い、水も弾くようなぷるんぷるんの脂肪の頂点にあるふっくりとした乳輪を口に含んで、ぴん♡と勃起した乳首の輪郭を舌でぐるぐるなぞる。女陰の水気があからさまに弥増すのを感じながら、俺は乳頭を優しくちゅるちゅる♡吸い上げた。
白い肌に、汗がじわあっと浮かび上がる。
「おっぱい好き? きもちいね。まんこの中もどんどん熱くなってきてる。あんたのイイとこも、ようやっと見つけたぜ。ここだろ?」
「ぅあッ!♡♡」
言いながら、ある一点を狙い打って指を折り曲げる。すると途端に膣は締まりを増して、あやめは汗ばんだ膝をびくんっ♡と揺らした。もう諦めてあんあん喘いだほうがずっと楽になるだろうに、あやめはひとつ声を上げたっきり、またぎゅっと口を噤んで、どうにか快感をやり過ごそうとしている。
「…………!!♡♡」
「我慢しなくていいのにぃ。女子供は素直が一番だぜ」
「ん、んん……!♡♡」
「おしっこが溜まるとこ、裏っ側から突っつかれるとぞくぞくするね。子宮口のほうも好き? 乳首もたぁくさんこすこすしながら、中からいっぱいとんとんしてやるからな♡ はい、とーんとん♡とーんとん♡」
「――っは、ぅ……んくっ……!♡♡ んんぅぅうッ……!♡♡♡♡」
ただ努力も虚しく、それであやめはどうやら絶頂を迎えたらしかった。
手の中に閉じ込めていた胸を放してやり、膣壺から指を引き抜くと、あやめは荒い呼吸を繰り返しながらくたりと脱力する。そんな健気な彼女の姿を尻目に、俺は女将のせいでずっと突っ張って痛い我がひとり息子をようやく解放してやることにした。
すぐ傍でぼるんっ♡と首を撥ね上げて現れたズル剥けのグロテスクちんぽを、あやめは顔色を失くして食い入るように見つめてくる。
「あは♡ そんなにまじまじ見られちゃあ照れちまうね。度を越してでかいってンじゃないが、マ、中々立派なもんだろ。エルガーの奴と比べたらどっちがでかい? さすがにあっちかな」
「そ、そんなの……そんなの……っ♡」
「ああ、見たことないんだっけ? じゃあ、今度一緒に女将に質問してみようぜ」
俺は女将の目の前で合法的にちんぽが出せるし、あやめはエルガーのブツのでかさの見当がなんとなくつけられる。我ながらお互いいいこと尽くしの提案だと思ったのに、あやめはなにが気に入らなかったのかなにも言わない。
ここにきて急に無視? 俺も人の心があるからそんなことされちゃうと悲しいぜ。俺の息子も悲しいって泣いて先走ってる。こいつはちょいと慰めてもらわなきゃ収まらないな。
右手で我慢汁を塗り広げるように、二度三度と扱く。余った左手でつるつるすべすべのあやめの太腿を撫ぜながら、俺は亀頭を膣口に添えた。
ぷちゅっ♡と小さく間抜けな音がする。あやめの身体がぎくっと強張って、それでも目は強気に俺をねめつける。
「俺の魔羅とあんたのやらしいとこがちゅう♡してるぜ。わかるかい?」
「…………っ♡」
あやめは応えない。別に返事を求めていたわけではないから、俺も特に構わない。
「っあ、♡ く、ぅ……っ♡♡」
「まるっとした亀頭が膣の中につぷつぷつぷ~っ♡って潜り込んでさあ、」
「あふ、うっ……♡ ふ、ふっ……♡」
「ぶっとい雁首があんたのぬるぬるみちみちのまんこ肉を掻きわけようとしてんの、感じる?」
「あっ♡ あ、あ♡ ん♡んんっ……♡」
ほとんど力を入れない、ただ優しく押しつけるような挿入。反り上がった雁首は未だにきゅっ♡と締まった膣の関門を突破しきらないまま、首をめり込ませるように口元で留まっている。それでも構わず、俺は馬鹿にゆっくりとお互いの下腹部を密着させるように腰を近付けていく。
そしてやがて――――。
――にゅぷんっ♡♡♡♡
「ああッ!♡♡♡♡」
圧力に堪えかねて、とうとうがっちがちのちんぽはぬるぬるまんこを抉じ開けて勢いよく総身の半ばまで飛び込んだ。膣襞が待ちかねた竿にびた~っ!♡と纏わりつき、びくびく震えながら俺をぎゅうぎゅうに抱き締める。
「っあ、♡ あ……っ♡♡」
「一番ぶっとぉいとこ、ちゃあんと飲み込めていい子だねえ♡ そいじゃあ、もっと深く挿れていこうか」
「は、あっ……♡ い♡いやあっ……♡♡」
あやめは力なく頭を振る。汗で束になった艶髪がぱらぱらと垂れ落ちて頬にかかる。俺はその髪をわけてやりながら、上から圧し掛かるようにしてあやめを抱き締めた。
「ほぉら、俺のちんぽ、ぐにゅぐにゅ~♡ってどんどん入ってくよ」
「あっ♡あっ♡ う、ううっ♡♡」
「はは、掘り進んでいくほどナカをうねらせて気持ちよさそ~にして♡ よっぽどご無沙汰してたのかい? それともあんたがただの好き者ってだけかね」
ちんぽで拡張されて土手を積み上げるようにむっちり盛り上がったまん肉に、ずっしり重たい玉がたぷんと乗る。俺のケツ側から見るとちょうど鏡餅みたいな具合になっているはずだ。嫌だな、こんな汚い鏡餅。
それで下っ腹をびったり擦り寄せると、あやめは紫水晶みたいな目から涙をひと粒ぽろっと溢した。
「あっは♡ 根っこまで入っちまったね」
「っあ♡ あ♡あぁっ……♡♡」
「おいおい、そんなぎゅうぎゅう締め付けられちゃ、困っちまうな。中に出していいってこと?」
「――っ!?♡♡ や、やめて!♡ 中だけは……!♡」
「わぁかってるよぉ♡ まだ出さないって。どうせなら長く楽しみたいもんな? 俺のお利口な息子はこれで我慢がきくから安心していいぜ」
「ち、がうっ……!♡ ああっ♡ ん、く……! も、抜いてぇっ……♡」
「つれないこと言うなって。どうだい? こうやってゆっくぅ~り抜き差ししてっと俺のちんぽの形、よぉくわかンだろ。俺も、あんたのまんこの襞の数までわかりそうだぜ」
呆れるほど時間をかけて子宮口まで届くほど奥を穿って、また同じくらい時間をかけてゆっくりゆっくり竿が抜けきる限界まで引き抜いて、また掘り進む。一切激しさのない抽送に爆発的な性感こそはないものの、いつまでも昇り詰めることのできないじんわりとした快楽は雪のように降り積もる。
「いやあ、蚯蚓千匹たァ、このこったな。今まであんたに腰振りたくってきた男共はみんなさぞ喜んだろ。膣襞がうにうに動いて、〝離れたくない♡〟って纏わりついてくるよ」
「う、うぅっ♡ そん、なっ、ゆっくりしないで……っ♡♡ はやく、終わらせてっ……!♡♡」
優しくしてやると最初から言っているのに、無茶な強姦を想定して身構えていたあやめにはそれが殊更に堪えたらしい。
痛みなど全くない、ほとんど初対面に近い男にただ甘さだけが与えられる性行為の最中、嫌悪感と快感とが綯交ぜになって混乱に陥っているようにさえ見えた。俺の言葉なんて耳に入っていない様子で、子供のようにむずかっている。
「はは、気持ちいいねぇ。可哀想に。嫌々っつったってさあ、下のお口はどうにも言うこと聞いてくれないみたいだね。俺の精子がほしいほしいってちゅぱちゅぱ♡吸い付いてくるよ♡」
「んあっ♡ あっ♡ う、う、うぅ~~っ……!♡♡」
「もう正気なんて捨てちまえば? 下手に賢い頭があるように振る舞うからしんどいんだろ。エルガーのことはもう諦めてさ、おちんちんが大好きなだけのスケベな女の子になっちまえよ」
「うっ、くっ……!♡ いやっ♡ やだ……っ!♡ あ♡あなたたちの思い通りになんてならないっ♡♡ ぜったいまけないっ♡♡」
「強情~。いやあ、すごいね、あんた」
色んな感情でぐちゃぐちゃになってぐすぐす涙ぐみながら、それでも俺を睨みつけてやろうっていう気概がまだ残ってるんだから、こんな可憐な見た目をして凄まじく胆力の据わった女だ。俺は少し感心して、組み敷いていた身体を起こし、背面から抱きかかえるようにしてその顔をまじまじ見た。
急に体勢を変えたせいで驚いたのか、ちんぽを咥え込んだままのまんこにきゅんっ♡と力がこもる。
「そんなに冷たくしてくれるなよ。俺ァさ、こう見えてあんたを哀れに思ってるんだよ」
「あぁあっ♡♡ ふっ♡ う♡ んぅっ♡」
「なんて可哀想なあやめチャン。あんな男なんぞ好かなきゃ、なにもこんな今日会ったばかりの男の魔羅を奥までずっぽし♡咥え込まなくて済んだのにね」
その言葉にあやめは首を捻って俺を見た。責任転嫁も甚だしいとでも言いたいのか、鋭い眼光には憎悪さえ滲む。これほど快感に素直な身体をしておいて、こんなのおかしいったらありゃしない。
俺はそのほっそりとした顎を掬い取って、触れるだけの口づけを落としてやった。
輪郭がぶれるほど間近で見開かれた目の中で揺れる紫色の瞳が、嫌悪と屈辱に潤んできらきらしている。恐らく並々ならぬ激情が少女の心に炎を宿したに違いない。もう幾度めになるかもわからない抵抗を試みて弱々しく藻掻く手指を逆に絡め取って握ってやって、俺は何度もその柔い唇を啄んだ。
いや、我ながら嫌がらせの才能がありすぎてびっくりしちまうな。
「ちゅ♡ちゅうっ♡ ――あは、あーあ、かわいそ、かわいそ♡ ちゅ~~っ♡」
「んっ♡ んぅっ♡ んぅう~~っ♡♡」
後ろから抱きかかえてやりながら優しく揺すって、指先を絡め合いながら口づける。悲痛な呻き声も口の中に飲み込んじまえば、こんなの誰がどう見たって恋人との愛ある甘々セックスだ。実情は合意も糞もない強姦なのに。
「可哀想なあんたはなあんにも悪くないよ。悪いのは、女将をヤリ捨てたエルガーのほうさ」
「っ、♡♡」
「おっ、と……。好きな男の名前に反応して好きでもない男のちんぽをにゅるにゅる締め付けていいこだねえ。ご褒美にさっき見つけたあんたのきもちーとこ、こぉんなふうに――、」
「あッ♡ アっ♡♡」
「会ったばかりの男とは絶対しちゃなんないらぶらぶ交尾で、内側と外側からいーっぱい擦ったろうな♡」
俺が他意なく適当に吐いた手前の惚れた男の名前に、健気にもあやめは絶賛レイプ中のおまんこをめいっぱい締め上げる。頼みもしないのに随分と愛想よくご奉仕してくれるもんだから俺は優しい気持ちになって、内側からちんぽで押し上げられてぽこっと膨れた腹を指先できゅうきゅう押してやった。
「うッ♡ ああッ♡ やめ♡やめてッ♡ う、ぅぅうッ♡」
「さっき指でつんつんしてやった子宮ちゃん、中と外から急に押されてびっくりしちまった? それにしたって泣くこたねえだろ。怖くなーい、怖くなーい」
心ではどんなにか嫌だと思っているはずなのに身体の自由が利かないことが情けなくて仕方がないのか、いよいよあやめは涙を抑えることもできずにぼろぼろと泣き出した。汗でべたついた髪の中に指を差し入れて、梳るように宥めてやるとあやめは余計にしゃくり上げ始める。
それでも惨めったらしくわんわん声を上げて泣きじゃくることはないんだから、立派なもんだと思う。いやあ、感心しちゃうよな、ほんと。
「ほぉら、よしよし♡よしよし♡ 腹の上っ側のほう、先っぽでコリコリされるのきもちいねえ。ここだけじゃなくて、一番奥も優しぃくコツ♡コツ♡ってされるの、大好きだからめろめろになっちまうね」
「っふ、ぅ、うう……っ♡ すきじゃ、ないっ♡♡ すきじゃないっ♡♡」
「うんうん、どっちもたっくさん突いてやるよ。今日ひと晩で俺のちんぽの形、一生忘れられなくなるくらいぱこぱこ♡してやるからね」
船を漕ぐように延々優しく揺すり上げて、涙を溢すなら指で拭ってキスをして、怯えに強張る指をそっと解いて握ってやる。痛みを伴うほど乱暴にするつもりはさらさらない。気を遣るほどの快楽も与えはしない。
それが例えあやめにとってより苦痛を帯びる行いであろうとも。
「まったく、これだけ丁寧に抱いてやってんのに変にビビっちまって。もしかしてあんた、逆にこんなに優しくされたのハジメテだったりする?」
見知らぬ男に身体を暴かれるという一大事に対して妙に諦めの早い彼女が本当に数多の男に穢され続けてきたのだとして、こんなふうに互いの情を温めるような性行為だけは〝せめて愛する男と共に〟などというささやかな願いを抱いていたのであれば。
「ッ――……!!♡♡」
「はは、図星ぃ? マジ? いやあ、らぶらぶえっち処女♡奪っちまって悪ィことしちまった。これから先、イイ奴ができて優しく抱いてもらうたびにあんた、俺にこぉんなに甘ったるくレイプされたこと思い出すんだろうね。かわいそ~♡」
――こんなに哀れなこともない。
他人事ながら心が痛むようだ。いや、一応俺は当事者扱いになるのかも知らんが。
悩みつつも、ふっとあやめから視線を外して顔を上げる。知らず知らず熱気と湿気のこもった空気が外気によって循環され始めたのを肌で感じ取ったからだ。
「……おや、時間切れ」
蔵から階段を上がっていった出入口、そこには月を背負って立ち尽くすエルガーの姿があった。その分厚い肩にはぐったりとした女将が担がれている。一瞬肝を冷やしたが目に見えてわかる外傷はない上、呼吸のたび肺が小さく膨らんだり萎んだりするのが確認できるから、どうやら息はある様子だ。当身でも受けたのかもしれない。
しかし、俺は人の女と思ってこんなに優しくしてやったっていうのに、そっちはお構いなしか。少しばかり気分が悪くなって、俺への嫌悪感と屈辱とで茫然自失していたあやめの顔を掴み上げて前方へ向けてやった。
「ほら、御覧よ。愛しの王子様がおいでなすったぜ、あやめ姫。ぽっと出の余所者悪党ちんぽ、ず~~っぽし咥えてるとこ、見てもらおうぜ♡ ――オッ♡」
瞬間あやめの膣が縮み上がったようにギュウッ♡♡と中を締め上げて、俺は堪らず吐精した。
「ッ――あ!?♡♡ ああぁッ……♡♡」
「あッは……♡ そんなにびっくりした? 締めるなよお、出ちまった♡」
「……っあ♡ あ……♡ あ……っ♡♡」
ねちっこく粘膜と粘膜を擦り合わせてひとつになるような行為を終えて、俺はあやめを膝に乗せたままで魔羅を引き抜いた。
すると粘っこい精子がとろぉ~~……♡と垂れて、撓垂れた竿の上にたらたら落ちる。変に生温かくてあまり気持ちのいいもんじゃない。自分の身から出したものとはいえ正直「ちょっと汚いな」とさえ思う。
「――いや、悪いな、エルガー。先にナマまんこ試させてもらっちまって。マ、もし子供ができても俺はいらないから、あんたたちのとこで育ててもらってもいいぜ」
「お、まえ……――お前ッ!!」
「ああ、でも男ができたンなら宿にほしいな。いい働き手になるだろ」
にっこり笑いかけた瞬間、膨れ上がった殺気に肌がびりびりする。
うわ、ブチギレてら。こわ~い。
――――
22/11/18