後書き

タイトルに先行して本文を書いていたのですが、半分近くできたところでサイトに公開したい!と思い、慌ててタイトルを考えました。こんなに細かくタイトルを考える創作を久しくしていなかったので、苦しかった…。13ページしかないので目次ページの賑やかしと、各話ごとにタイトルがある原作へのあやかりのために、ページごとにタイトルを付ける方式にしました。
総タイトルの元ネタはいろはにほへとのいろは歌です。恋ひ願ふは希ふから。
原作のヒカ碁が平安時代にゆかりのある話であること、が文字を書くことにより話すという特性であることから採用しました。
関連して、十話のサブタイトルを総タイトルに続くような七五調で仮名被りのないフレーズにしたかったのですが、思い浮かばず断念。他の同種の歌の「あめつちほしそら」というフレーズが素敵だったのでそちらから採りました。
それから、図らずもヒカ碁原作に引っかけたサブタイトルが付けられて嬉しかったです!「神様の一手」は、にとって伊角さんが神様のような存在であることはかねてから決めていたのですが、うまいことタイトルに持ってきたな?と自画自賛してしまいます。「十二年目のワガママ」は、原作の悠久の囲碁の歴史に対しての恋心のなんともちっぽけな部分が出ていてイイカンジ?こういうのが好きですねーはい好きですよ。

しばらく漫画ばかり描いていたために小説を書くのが実に5年くらいぶりだったので、なかなか小説脳になれずに苦労しました。この場面、漫画だったらこのように絵に描くだけなのに!と苦しんだことがなんべんも…。
もっとさらっと短時間で書くつもりだったのに、わりと時間がかかってしまいました。
伊角さんとの物語の原案は10年ほど前に考えたものなので、自分の萌えのみを優先させた設定に、主人公小学生かよ!?しかも失声症って!?と、書くのをためらうほどでした。それでもやはり自分の中には、伊角さんとをこそくっ付けたい?!という思いがあったので、細部こそ練り直しましたが物語の大筋は当初考えたそのままを用いました。
描きたいことが描き切れて満足です。

やはり夢に生きる人を支えるのはその夢を理解できる人であってほしい。ただし夢を同じくする者はそれこそ恋愛対象には最も遠い、ライバルであるとも思っているので(だからこそ逆説的に恋愛関係に近いニア恋人みたいなもんですが)、と伊角さんの遠くて近い距離感は私にとって、二人の関係性の終着において理想的なものです。自身は慎一郎と同じ舞台に立ちたい、なんて夢見ていることでしょうけど。