No.108
2018/9/24 好きなもの 編集
« No.107 / No.109 »
reset
■全文検索:
-->searchmode
■複合検索:
■日付一覧:
■ハッシュタグ:
■カテゴリ:
post admin
Powered by てがろぐ Ver 4.7.0.
-----
なんや一般人にも広く認められてる作品で、感想サイトも多いので紹介するまでもないですが…。
正に、人から人に届ける「聲(思い)の形」をえがいた作品だと思います。泥臭くも人間らしいキャラクターたちがもがき苦しみながら互いに心を通わせて生きるお話。
個人的にイジメ〜再会までの流れが完璧で完成され過ぎていて、このエピソードが「聲の形」本編で、後に続くメインのお話は後日談くらいに思っているくらいです。
ショーヤの退屈な人生に飛び込んできた異星人西宮。不器用で子どもだったショーヤは、耳の聞こえない彼女に聲を届ける術を知らなかった。アプローチは結果としてイジメになってしまう。
でも、ショーヤは誰よりも西宮自身を見つめて積極的に関わっていたんですよね。そこにはみんなのするような「耳の聞こえない障害者」に対する見下しは微塵もなかった。小学生男子が好きな子にちょっかいかけるのと同じようなものだった。ただちょっとショーヤに行動力があり過ぎただけ。子どもならではの無邪気さ。
(いじめを肯定するわけではありません。ショーヤがしたことは客観的にはれっきとしたいじめ、唾棄すべき行動で、許されるものではありません)
最後に二人で取っ組み合いの喧嘩をしたときこそが二人の聲のぶつかり合いで、一番大好きなシーンです。いじめられても反抗することもなく、ごめんなさいごめんなさいとだけ言う西宮。一度でも腹の底にある気持ち言ったことあんのかよとショーヤは言います。
障害故に自罰的になって自分を出せない西宮は、このときだけ「これでもがんばってる!」と言ってショーヤに反抗します。なんて不器用な聲の形…。
そしてこのシーンがあるからこそ、ショーヤが西宮にしたことがただのいじめの枠には収まらないと自分は考えます。ショーヤは確かに西宮に聲を届けて、西宮もそれに応えた。それが取っ組み合いのときの西宮の笑顔に表れています。
聲の形はちょいちょい「いじめられっ子がいじめっ子を好きになる、いじめ賛美漫画だ」と批判されますが、西宮がショーヤに恋するようになったのは、彼女にとってショーヤがそもそもただのいじめっ子ではなかったことが根底にあるので、いじめを賛美してるわけじゃないんだよ!と返したいです。
最終的に西宮を転校させたショーヤは高校生になってから西宮に会いに行って、「忘れ物」を届けます。それから手話を使って「俺たち、友達になれるか?」と。あのときはあんな不器用な形でしか話せなかった俺たちだけど。二人の聲が通じ合った瞬間です。
ここまでのエピソードが完成され過ぎていて、ほんとにもうここで「聲の形・完!!!」でいいんじゃないかと思っちゃうんですよねぇ〜。もちろん以降の高校生パートも好きだから聲の形が好きなんですけど。
高校生パートは、二人のその後のお話を膨らませて、順当に行き着くところに行き着いてくれた感じ。漫画としておもしろくきれいにまとまっていて、読んで満足でした。
キャラ単体ではメイン二人は元より植野が大好きです!主人公に実らぬ片思いをする当て馬キャラという好みもあるんですが、彼女の良くも悪くもはきはきと物を言うところ、正面から相手にぶつかっていくところが見ていてとても気持ちがいいです。
植野もまた、西宮を「障害のある子」とバカにせず個人を見て聲を届けようとしていた一人でした。彼女の場合、ショーヤが好きだからそこに割り込む(と思い込んでいる)西宮憎しでいじめをしていていたわけで、それもまた許されるものではないのですが。でもその根っこの感情は醜くもいじらしいものです。
何より、西宮の自罰的性質、そして周囲との対話を諦める姿勢を一番分かっていたのは植野でした。それもまた植野が西宮にまっすぐにぶつかっていたからで。西宮を嫌いと公言する彼女がそうというのはある種の皮肉でおもしろいところです。
植野は確かに性格もきついし悪いところもたくさんあるのですが、彼女がショーヤにかけた「インガオーホーなんてくそくらえ!」の言葉に私は救われました。罪を悔やんでも負けはしないぞという強い意志を感じました。
見るからに当て馬な彼女ですが、私は原作を読んだ時点で、「聲の形が言いたかったのは安直な恋愛関係ではない、ショーヤと西宮の関係は高みに持っていかれた」と感じたので、植野にもワンチャンある……と信じていました。そんなところで、ファンブックにてそれと匂わすような記述もあり…………よっしゃああああああ植野厨大勝利!!!!
もちろんショーヤ×西宮萌えではあるんですが、黒髪幼馴染を応援したい気もあり……植野のほうが西宮より先にショーヤに出会って恋してたんだからさ……。
何にせよ本編では明言されなかったので、想像の余地のある部分として堪能したいです。
まあ、ショーヤが西宮を好きなのは9割がた確定なんですけどね!!!!妄想くらい自由でいいじゃない…。
他にもメインキャラみんな、物語に深みを出す良いキャラだなーと思います。
河合さんが見ていてすっっっっっごい不快で、ここまで見る人を不愉快にさせられるのはすごいなーと思います。人間的には大嫌いだけどキャラとしては好…いやむり…。
真柴くんが見ていて痛快です。「他人様」で少し反感を買うかなーとも思うのですが、あそこでショーヤを殴ったのは許せないからじゃなくてショーヤ自身が殴られたがっていたと分かっていたからじゃないかと思うのです…。
それから大今先生の絵・漫画がめっちゃ好きです!!
老若男女描き分けられて表情豊かなリアル過ぎない柔らかな絵……私が漫画を描く上で理想としている絵です。
とにかく西宮がかわいい!くるくる動く表情。植野の妄想の中の小悪魔西宮もソウキュートです。植野の気の強い雰囲気も好き…河合さんも顔はかわいい…。
そして大今先生は「漫画」の描き方がうまいなーと思います。表現が単なる「絵による説明」になっていない。テンポが良い。余韻がある。背景も緻密にえがかれていて、漫画作品として非常にクオリティが高いです。
良い感じに締められんかった。聲の形おもしろいので短いしオススメです。映画は観なくていいです。
-----